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「スパコン富岳」タクシーの感染リスクを検証!

理化学研究所はスーパーコンピュータ「富岳」で、タクシー車内における感染リスク評価についての動画を公開しました。
 
タクシー乗車中の感染リスクを減らすために一番効果のある組み合わせが、この検証によって明らかになりました。
公開された動画では、様々な条件下での車内の「換気量」や「窓開けによる空気の流れ方」、「飛散した飛沫の動き」などが視覚的に確認できます。この検証により、タクシーに乗車するお客様やドライバー、またご家族やご友人と乗る際にもとても役立つ情報です。

前提条件

以下の前提条件下で、検証を行っています。

  • 1)時速40kmで走行
  • 2)ドライバー+乗客2名の計3名が乗車
  • 3)エアコン「外気導入」にて「通常モード」「最大モード」での検証
  • 4)5cmの窓開け+窓開けの組み合わせ「全席窓閉め」「後席左窓開け」「運転席窓開け」での検証

窓開け効果

感染リスク低減には「換気」が重要です。
換気するには「窓を開ける」ことが常識ですが、空気の入れ替えにかかる時間を検証した結果によると、車内に関しては期待していたほどの大きな効果はありませんでした。


窓対角開け

外気導入

風量最大の半分
= 68秒

1)「窓を対角に開ける」+「エアコン(外気導入)」+「風量最大の半分」=68秒


窓開け

時速20km
= 82秒

2)「窓を開けて」+「時速20キロで走行」=82秒

空気の入れ替えにかかる時間を検証した結果、上記1)の場合は68秒、上記2)の場合は82秒でした。
 
「窓を閉めた」場合、 +「エアコン(外気導入)」+「風量最大の半分」の状況下では85秒かかりますので、窓開け効果はあまり高くないことが判ります。

エアコン効果

エアコンも空気を循環させることができますが、果たして「窓開け効果」と比べて換気能力が高いのか低いのか、実際に検証しています。


窓を閉める

外気導入

風量最大の半分
= 85秒

1)「窓を閉める」+「エアコン(外気導入)」+「風量最大の半分」=85秒


窓を閉める

外気導入

風量最大
= 45秒

2)「窓を閉める」+「エアコン(外気導入)」+「風量最大」=45秒

空気の入れ替えにかかる時間を検証した結果、上記1)の場合は85秒、上記2)の場合は45秒という結果になりました。
窓を閉めた状態での検証結果です。窓開け効果より、エアコンの換気能力の方が高いことが証明されました。

一番リスクが低かった組み合わせ


外気導入

風量

マスク着用

1)エアコンを「外気導入」に設定
2)「通常モード」以上の風量
3)全員のマスク着用

上記3つの条件下でなら、たとえ窓を閉めていたとしても、エアコンの換気能力が高いおかげで、「約1.5分」で新鮮な空気に入れ替わり、1人当たりの換気量が増えます。
「窓を閉める」+「エアコンの風量を最大」にすれば、45秒で空気が入れ替わり、さらに、全員がマスクを着用し飛沫の飛散を抑えれば、さらなる感染リスク低減に役立つことも実証されています。
 
信号待ちや時速40キロ以下での走行を考えると、「窓を閉めていたとしても、1.5分で新鮮な空気に入れ替わる」という事実には、タクシーに乗車されるお客様やタクシードライバー、車を利用される方にとって、ものすごい安心感をもたらしてくれました。
 
皆さまに安心して頂くために、当社では手指の消毒やマスク着用などの基本的な対策の他、キャッシュレス決済の導入、そしてエアコンを「外気導入」「通常モード」以上に設定し運行しております。

スーパーコンピューター「富岳」記者勉強会
室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策(4)

提供:理化学研究所 協力:トヨタ自動車・国土交通省